未亡人製造機とも言われているポルシェ最強のモデルである『GT2RS』。
なぜポルシェにそんな異名がついているのでしょうか。
そしてGT2RSと双璧を成す『GT3RS』が未亡人製造機と呼ばれることは少ないです。
この違いは一体何なのでしょうか?
ポルシェGT2RSとGT3RSの違いも含めて、エピソードをお伝え致します。
ポルシェGT2RSのスペック!未亡人製造機と言われる所以とは?
ここでは2018年時点で最新の991.2 GT2RSのスペックを見てみましょう。
ポルシェ991.2 GT2RS | |
【項目】 | 【スペック】 |
エンジン型式 | 水平対向6気筒ターボエンジン |
排気量 | 3.800cc |
最大出力 | 700ps/7,000rpm |
最大トルク | 750N・m /2,200~4,500rpm |
駆動方式 | RR |
車両重量 | 1,470kg(1,545kg) |
このスペックを見ただけでこの車がどれだけモンスターであるか、お分かりいただけたかと思います。
700馬力という桁違いのパワーを擁している車は、市販車ではほとんど存在しません。
更に7,000回転で出力がピークになる特性上、素人がパワーを引き出して走るのはそう簡単ではないでしょう。
きっちり回して上げないと700馬力のパワーを引き出すことが出来ないわけですね。
この700馬力ものパワーを秘めているエンジンをリアに搭載し、リアタイヤのみで駆動させるというのがまさしく『未亡人製造機』と言われる所以でしょう。
葉書2枚ほどの設置面積でこのパワーを受け止めている上に、エンジンの搭載位置の関係で非常に凶暴な仕上がりになっているのです。
ポルシェ911のオーナーが、ハイスピードでコーナーを曲がる時は少し怖いと言っていたのを思い出します。
僕は500馬力オーバーのFRに乗っていましたが、それとは比べ物にならないほどのモンスターです。
変なアクセルの踏み方をした瞬間リアが空転しそうになったことがありますが、恐らくGT2RSだったら僕は今頃生きていないかもしれません(笑)
700馬力にRRというレイアウトの組み合わせが、GT2RSが未亡人製造機と呼ばれる所以なんですね。
ポルシェGT2RSとGT3RSの違いは?
①GT2RSとGT3RSのスペックの違い
さて、この項目ではGT2RSとGT3RSのスペックを比較して、違いを見てみましょう。
991.2 GT2RS | 991.2 GT3RS | |
【項目】 | 【スペック】 | |
エンジン型式 | 水平対向6気筒ターボ | 水平対向6気筒NA |
排気量 | 3.800cc | 3,996cc |
最大出力 | 700ps/7,000rpm | 520ps/8.250rpm |
最大トルク | 750N・m /2,200~4,500rpm |
470N・m/6,000rpm |
駆動方式 | RR | RR |
車両重量 | 1,470kg(1,545kg) | 1,430kg(1,505kg) |
●GT2RSはターボ、GT3RSはNA
●GT3RSの方が高回転型
●GT2RSの方がハイパワー
単純に比較するとGT2RSの方が圧倒的にハイパワーです。
GT3RSと比較して最大出力は1.35倍、最大トルクは1.6倍と見た目は似通っていますが中身は別物です。
GT3RSも素人には扱いきれないほどの力を秘めていますが、それと比較してもGT2RSはとんでもない車なのです。
未亡人製造機というカテゴリーにおいては、GT2RSという上位互換がいるためGT3RSはそのような異名がつくことがないのでしょう。
他に目を惹く違いはエンジンのレブリミットにも存在します。
GT2RSは7,200回転、GT3RSは9,000回転と大きく違いますね。
高回転NAというだけで非常に価値がありますので、その点だけでもGT3RSにはファンが多いですね。
最後の目を見張る違いとしては、ターボかNAかという点ですね。
GT2RSとGT3RSはどう違う?
GT2RSはターボで、GT3RSはNA。
というやり取りはよく行われます。
②GT2RSとGT3RSのニュルのタイムは?
●GT2RS:6分47秒3(2位)
●GT3RS:6分56秒4(7位)
GT2RSはアヴェンタドールSVJに記録を抜かれるまで、ニュルの市販車最速記録を保持していました。
2018年11月現在でも市販車としては2位の記録を保持し続けています。
※GT2 RS MRはチューンドカーなので除いています
GT3RSも市販車として7位のタイムを記録しています。
ちなみに8位はハイパーカーとして名高いポルシェ918スパイダーの『6分57秒5』であり、これよりも速いGT3RSも十分モンスターと呼べるマシンなのです。
また、2016年に箱根のターンパイクで死亡事故が起きた時の車両は『911GT3』でした。
ドライバーは自動車評論家であり、箱根ターンパイクは何百回と走りこんだ地元ともいえるコースですが…
GT2RSでなくとも、一つ操作を誤れば死亡事故に繋がるのです。
元祖『未亡人製造機』は戦闘機だった?
元々未亡人製造機という名前は、米国産の戦闘機『F-104』こと通称スターファイターに付けられた通り名でした。
事故率が高いので、未亡人製造機だけでなく『空飛ぶ棺桶』とすら呼ばれていたようです。
そんな逸話があるため、ドイツで『スターファイター 未亡人製造機と呼ばれたF-104』という映画が2015年に制作されたのです。
なぜドイツで製作された板のかというと、F-104はアメリカのロッキード製ですが当時は西ドイツ軍でも当該機が運用されていたからです。
ポルシェに関するその他の記事
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参考:【歴代ポルシェ911】空冷から水冷への歴史の変遷を辿る!
未亡人製造機ポルシェGT2RSとポルシェGT3RSのまとめ
ポルシェGT2RSが未亡人製造機と呼ばれるのは、恐るべきパワーにRRという組み合わせからくるものでした。
Youtubeで『GT2RS accident』と検索するとクラッシュしたGT2RSの動画がたくさん出てきます。
ちなみに『GT3RS accident』と検索しても多くの動画がヒットするので、興味がある方はチェックしてみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!