みなさんは「レンジローバー」という車の名前を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
レンジローバーはイギリスの自動車メーカー、「ランドローバー社」が生産・販売する高級SUVです。その大柄なボディと、イギリス車らしい気品漂わせるデザイン、それに似合わない頑丈さと走破性で、イギリスのみならず、世界中で愛されている車種です。
レンジローバーを所有することは、一種のステータスでもあるようで、高級住宅街で見かける機会の多い車でもあります。それは芸能界も同様で、レンジローバーを愛車にしている芸能人の話をよく耳にします。
そこで今回は、イギリスを代表する高級SUV「レンジローバー」を詳しく解説するとともに、レンジローバーを愛車にしていた経歴のある芸能人の情報をまとめてみました。
ランドローバーとレンジローバーの違いについて
- 「レンジローバー」について調べていると、似たような「ランドローバー」という単語が同時に目に入りませんか?
- 英語のスペルも「RENGE ROVER」と「RAND ROVER」でよく似ています。この2つは何が違うのでしょうか?
答えをいうと「ランドローバー」は、高級SUV「レンジローバー」を生産している「メーカー」の名前。つまり「レンジローバー」は「ランドローバー社」が生産している車の「ブランド名(車種名)」なのです。
国産車の呼び方「日産 スカイライン」を参考にすると、「日産」にあたる部分が「ランドローバー」、「スカイライン」にあたる部分が「レンジローバー」になります。
しかし世間一般的には、「ランドローバー レンジローバー」というクドイ言い方はせず、「レンジローバー」という車種名だけで呼ばれることが多いです。「レンジローバー」という車種名が世界中で認知され、そのブランド名が、いかに強力であるかがわかります。
ちなみに「ランドローバー社」は、過去にBMWやフォードの傘下に収まってきた歴史があります。親会社のフォードは、2008年に、ランドローバー社とジャガー社を、インドの「タタモーターズ」に売却。「ランドローバー」は現在、タタモーターズの傘下で「ジャガー・ランドローバー」という組織展開で自動車を販売しています。
レンジローバーの種類は?
レンジローバーにも様々なバリエーションが存在します。
一昔前まで「レンジローバー」というと、一つのカタチしか思い浮かびませんでしたが、最近では、人によって「レンジローバー」のイメージが異なるようです。
伝統的なレンジローバーにこだわらず、様々な形で展開されることで、より多くの方に「レンジローバー」というブランドが広まったように思えます。“伝統”を大切にしながらと“進化”し続ける「レンジローバー」のバリエーションを見ていきましょう。
(1)レンジローバー
1970年より販売されているランドローバー社のフラグシップモデルで、現在販売されているレンジローバーシリーズはここからはじまりました。
ランドローバー社の頂点となる車です。「英国のSUV=レンジローバー」といっても過言ではないほど、この車のブランドと歴史には確固たるものがあります。
世界的に高級SUVブームが巻き起こっている昨今ですが、レンジローバー発売当時は、ラグジュアリーな4輪駆動車は数えるほどしかありませんでした。
現在各社で見られる高級SUVのほとんどは、ラグジュアリーさはあっても、本物の“オフロード性能”との両立はなされていません。1970年から続くレンジローバーの「ラグジュアリーさとオフロード性能の両立」は、現在でも希少なコンセプトです。
レンジローバーは2022年に6代目へとフルモデルチェンジ。
室内空間のラグジュアリーさとオフロード性能がさらに進化しました。価格は堂々の1687万円からとなります。ランドローバーの公式HPをのぞいてみると、室内空間は高級車のそれなのに、オフロード性性能もピカイチであることがアピールされています。特に目を引くアピールポイントは“渡河性能”という項目。レンジローバーは最大水深900㎜までなら、河を渡ることだってできるのです。
レンジローバー スポーツ
レンジローバースポーツが世に初めて登場したのは2005年。
「ラグジュアリーさとオフロード性能」がアイデンティティのレンジローバーですが、レンジローバースポーツは、よりオンロードでの走行性能を高めたモデルです。価格はレンジローバーよりもお手頃な1068万円から。
オンロードでの走行性能を重視した車といっても、やはりレンジローバーの血統。オフロード性能も十分過ぎるくらい有しています。2022年に登場した新型レンジローバースポーツでは、ダムの放水路を駆け上がる「スピルウェイチャレンジ」で、そのオフロード性能とスポーツ走行性を観ることができます。
(264) THE NEW RANGE ROVER SPORT – YouTube
レンジローバースポーツの特徴は、スポーツカーを感じさせるデザインでしょう。いかにも英国高級車の雰囲気だったレンジローバーに比べると、現在流行りの、スポーツSUVテイストを取り入れた外観が目を引きます。キリッと細く吊り上がったヘッドライトやブラックアウトされたグリル類が特徴的です。イメージカラーはレッドメタリックとブラックの2トーンで、より洗練された印象を覚えます。
レンジローバー イヴォーク
レンジローバーシリーズの最小最安モデルで、価格は518万円~となっています。こう聞くとチープな印象を与えてしまうかもしれませんが、ボディの大きさとラグジュアリーさを捨て、キビキビ走るスポーツSUVと化した結果が、このレンジローバーイヴォークなのです。レンジローバーシリーズの中で、走る歓びの感性をもっとも色濃く残したモデルといえるでしょう。レンジローバーブランドとスポーツ性能を手軽に味わいたい人にうってつけです。
レンジローバー ヴェラール
「レンジローバー、レンジローバースポーツだと大きすぎるし高級すぎる・・・」。
そんな人にうってつけなのがレンジローバー ヴェラールです。
レンジローバーが持つラグジュアリーさは犠牲にせず、ボディをサイズダウン。デザインもクーペスタイルのテールを採用し、「偉い人を乗せる車」という印象のレンジローバーよりも、もっとパーソナルカーの印象が強くなりました。
827万円からと、1000万円を切る車両価格が、お手頃感を感じさせます。レンジローバー ヴェラールは、ラグジュアリーさとリーズナブルさをちょうどよくバランスさせたモデルといえるでしょう。
全長は4820mmと、レンジローバーのスタンダードモデルより185mmも短くなっています。日本の狭い道でも扱いやすいサイズは、「レンジローバーは大きすぎて使えないよ」という悩みを持った、日本のレンジローバー愛好家にも人気なのだとか。
レンジローバー オートバイオグラフィー
レンジローバー オートバイオグラフィーは、巣の状態でラグジュアリーなレンジローバーに、さらに豪華装備を追加した上級グレードです。
スタンダードなレンジローバーの車両価格が1687万円からに対して、オートバイオグラフィーは2031万円からと、大幅に価格が上がります。それだけ豪華装備がてんこ盛りの仕様となります。ちなみに、オートバイオグラフィーの上には「SV」というグレードが存在し、価格は2551万円で、レンジローバーの最高峰グレードとして君臨しています。
レンジローバーを愛車にしていた芸能人は?
成功者のステータスともいえるレンジローバー。
そのイメージは芸能界でも浸透していて、レンジローバーシリーズを愛車にしていた芸能人の名前をよく聞きます。今回はレンジローバーシリーズを愛車にしていた芸能人を紹介します。
お笑い芸人 狩野英孝:レンジローバーイヴォーク
一人目は意外な人物、お笑い芸人の狩野英孝さん。2015年、狩野さんはフジテレビのお笑い番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」のロケ企画で、自腹で車を買わされることに。狩野さんは、高級外車のショールームへと連れていかれ、そこで車を一台選び、購入するよう迫られます。その時に狩野さんが選んだ車が、オレンジ色のレンジローバー イヴォークでした。当時の価格で850万円ほど。ペーパードライバーで、車を一台も所有したことなかった狩野さんの、初めての愛車になりました。
お笑い芸人 明石家さんま:レンジローバー
お笑い芸人の明石家さんまさんは、30年ほど前にレンジローバーを所有していました。1991年の番組の生放送では、さんまさんの紺色のレンジローバーが登場しています。当時はコンプライアンがあって無かったような時代。その番組内の企画で、ビートたけしさんとタモリさんがブロック塀にぶつけたり、ゴルフクラブで叩いたりを繰り返し、新車のレンジローバーはボコボコになってしまいました。その翌年、ピカピカに直ったさんまさんのレンジローバーがテレビ番組に登場。しかし、ビートたけしさんに自転車で突進され、ブロック塀にぶつけられ、再びボコボコに。それでも番組のお笑いネタと割り切り、ボコボコになった愛車を見て、大笑いしていたさんまさん。やはり当時からお笑い第一線で活躍していた方は器が大きいですね。
バイオニスト 高嶋ちさ子:レンジローバー スポーツ
バイオニストでタレントの高嶋ちさ子さんは過去に、レンジローバースポーツが愛車でした。2014年に放送された「櫻井有吉アブナイ夜会」で、大の車好きであることをアピールしていた高嶋さん。番組のVTRで登場した新しい高嶋さんの愛車が、新車のレンジローバースポーツでした。しかも豪華グレードのオートバイオグラフィーです。納車後は、レンジローバースポーツでドライブを楽しむ高嶋さんの姿が映し出され、最後に高嶋さんは、「車は、そのモデルの最高級グレードしか乗らないのがこだわり」と語っています。彼女の破天荒な性格にぴったりなこだわりです。
まとめ
イギリスを代表するSUV「レンジローバー」の伝統とブランド力は非常に強いものです。「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれるこの車は、ラグジュアリーさとオフロード性能を高い次元で両立させ、世界中で長年にあたって愛されてきました。
2022年に発売された新型レンジローバーは、世界中からの注文殺到と、昨今の半導体不足の影響が重なり、すでに3年分のオーダーを抱えているとのことです。この生産遅れにより、日本にデリバリーされている台数はかなり少ないと予想されます。私たちが新型レンジローバーの走っている姿を見られるのは、もう少し先になりそうですね。
今回紹介したレンジローバーを愛車にしていた芸能人、狩野英孝さんと明石家さんまさん、高嶋ちさ子さんの3人は、番組内で愛車を紹介した過去がある人物でした。それぞれタイプは違いますが、テレビの第一線で活躍されている人たちなので、レンジローバーを愛車にしたのも、うなずけます。ちなみに明石家さんまさんの愛車遍歴としては、レンジローバーのライバル的存在、「メルセデス・ベンツ Gクラス」も有名ですね。
2022年は、新型レンジローバーが発売され、話題になりました。
ハイテク装備が満載され、快適性能と走行性能は驚くほど進化しているそうです。街で見かけることがあったら、その堂々たる風格を眺めて、ぜひ圧倒されてみてください。